親知らずを抜くタイミングはいつがいい?適切な時期や抜歯するメリットを解説
親知らずは10代後半から20代にかけて生えてくる歯で、抜歯するのに適切なタイミングがあります。
適切な時期に抜歯することで、歯や顎にかかるダメージを抑えることが可能です。
この記事では、親知らずを抜く適切なタイミングについて解説します。
親知らずを抜いたほうが良いケースや抜歯の流れ、抜歯に関する注意点などについてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
親知らずはいつ抜く?適切なタイミングは20歳前後

親知らずは次の3つの理由から、20歳前後に抜くのがおすすめです。
- 20歳前後は免疫力が高いため
- 抜歯の難易度が低くなるため
- 親知らずを放置することで生じるリスクを避けられるため
ここでは上記3つの理由についてそれぞれ解説します。
20歳前後は免疫力が高いため
20歳前後で親知らずを抜いたほうがいい理由の一つが、免疫力の高さです。
30代、40代と比べると20歳前後は免疫力が高く、抜歯後の傷口も比較的早く回復します。
親知らずの抜歯は生え方によって術式が異なり、骨に埋まっている状態の親知らずは抜歯後の痛みや腫れが出やすい傾向にあります。
さらに免疫力が低下していると、痛みや腫れが強く出るだけでなく、抜歯後に口が開かなくなったり傷口が化膿したりといった症状が出ることも。
抜歯後のダメージを抑えるためには、免疫力の高い若い年齢で抜歯をすることをおすすめします。
抜歯の難易度が低くなるため
20歳前後は30代や40代と比べると、親知らずの抜歯の難易度が低いです。
顎の骨が柔らかいため長時間口を開けやすく、施術中にかかる負担も少なくなります。
また親知らずが完全に成長しきると、歯茎の下にある歯根が下顎管という大きな神経が通っている管に近づき、抜歯の際に傷つけてしまうリスクが高まります。
下顎管が傷つけられると、『下歯槽神経麻痺』という神経麻痺が起こることもあり危険です。
親知らずが成長しきる前なら、上記のリスクを抑えて抜歯することが可能です。
親知らずを放置することで生じるリスクを避けられるため
親知らずを放置しておくと以下のようなリスクがあります。
- 虫歯や歯周病になる
- 歯並びに悪影響を及ぼす
- 口臭が悪化する
- 突然痛んだり腫れたりする
親知らずは急に痛んだり腫れたりすることがあるため、大事な仕事やスケジュールのタイミングに被るなど、私生活に影響を及ぼす可能性があります。
また虫歯や歯周病、歯並びにも悪影響を及ぼす恐れがあるため、なるべく早めに抜歯するのがおすすめです。
適切なタイミングを過ぎてから親知らずを抜歯する場合は?リスクはある?

親知らずを抜く適切なタイミングは20歳前後ですが、この時期を過ぎてから親知らずを抜歯すると、以下のようなリスクがあります。
- 傷口の回復が遅くなる
- 抜歯が大がかりになる
適切な時期を過ぎても抜歯はできますが、傷口の回復に時間がかかったり抜歯が大がかりになったりすることがあります。
リスクを抑えて抜歯するためには、実績や経験豊富な歯科医院を選ぶことが大切です。
親知らずを抜いたほうが良いケース

親知らずは必ずしも抜かなくてはいけないわけではありませんが、以下のケースに当てはまる場合は抜いたほうが良いでしょう。
- 親知らずが虫歯になっている場合
- 親知らずの隣の歯が虫歯になっている場合
- 親知らず周囲の歯茎が腫れている場合
- 親知らずが歯並びに悪影響を及ぼしている場合
ここでは上記4つのケースについてそれぞれ解説します。
親知らずが虫歯になっている場合
親知らずが虫歯になっている場合、虫歯治療を行うよりも抜歯したほうが良いでしょう。
親知らずは歯の一番奥に位置しているため歯ブラシが届きにくく、虫歯の原因となる歯垢が溜まりやすいです。
親知らずが横向きや斜めに生えてきた場合、さらにケアが困難になり、虫歯のリスクが高まります。
また親知らずの虫歯は治療器具が届きにくいため治療が困難なだけでなく、治療しても虫歯が再発するリスクが高いのです。
そのため親知らずが虫歯になった場合は、治療にかかる負担や将来的なリスクを考慮し、抜歯を推奨されます。
親知らずの隣の歯が虫歯になっている場合
親知らずの隣の歯は第二臼歯といい、親知らずが横向きや斜めに生えてくると隣接面に歯垢が溜まりやすくなるため、虫歯になることがあります。
第二臼歯が虫歯になってしまった場合、治療のために親知らずを抜かなくてはいけない場合があります。
親知らずを抜くことで、第二臼歯が治療しやすくなるためです。
親知らず自体に問題がなくても、第二臼歯に虫歯ができると抜歯を検討する必要が出てくることがあります。
親知らず周囲の歯茎が腫れている場合
親知らず周囲の歯茎が腫れている場合、抜歯することで症状が改善される可能性があります。
親知らずが不規則な生え方をしていると、歯と歯の隙間に歯垢が溜まりやすくなり、免疫力が低下した際に細菌の繁殖によって『智歯周囲炎』による症状がでることがあるのです。
智歯周囲炎は親知らずが原因で起こる歯周組織の炎症で、以下のような症状があります。
- 親知らず周囲の歯茎が腫れる
- 歯茎を触ると痛い
- 歯茎から膿が出る
- 口が開きにくくなる
- 頬が腫れる
- 発熱・全身の倦怠感
抗菌薬を服用することで炎症を抑えられますが、智歯周囲炎は繰り返し炎症を起こすことが多いです。
親知らずを抜歯することでケアがしやすくなるため、炎症を抑えられる可能性があります。
親知らずが歯並びに悪影響を及ぼしている場合
親知らずの生え方が悪いと、手前の歯に力が加わり、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。
親知らずが原因で乱れてしまった歯並びを矯正するためには、矯正治療の前に親知らずを抜かなくてはいけません。
親知らずを抜くときの流れ

親知らずを抜く大まかな流れは以下の通りです。
- 問診・カウンセリング
- 口腔内検査・レントゲン撮影・診察
- 治療計画の説明
- 親知らずの抜歯
- 術後チェック
- 1週間後に抜糸(縫合した場合)
親知らずは生え方や位置によって術式が異なるため、口腔内検査やレントゲン撮影などにより神経と親知らずの位置関係をしっかり把握する必要があります。
また親知らず周辺の歯茎に炎症が起きている場合は、抜歯よりも先に炎症に対する治療を行わなくてはいけません。
もし治療に関する不安や悩みがあれば、問診・カウンセリングの際に確認しておきましょう。
親知らず抜歯当日の施術は次のような流れで行われます。
- 麻酔を歯茎に塗布する
- 専用器具を歯と骨の間に入れ込み、歯を抜く
- 抜歯箇所の汚れを取り除き、清掃する
- ガーゼを噛んで止血する
親知らずが横向きや斜めに生えている場合、歯肉を切開したり歯を割ったり大がかりな処置が必要となる場合もあります。
術後の痛みや腫れは2〜3日程度で徐々に落ち着いてきますが、数日たっても症状が引かない場合は早めに歯科医師に相談しましょう。
親知らずの抜歯に関する注意点

親知らずの抜歯に関する注意点は以下の通りです。
- 処方された痛み止め・抗生物質を服用する
- ドライソケットに注意する
- 抜歯後の食事に気を付ける
- 血行を良くする行動は控える
ここでは上記の注意点についてそれぞれ解説します。
処方された痛み止め・抗生物質を服用する
親知らずの抜歯後は、処方された痛み止めや抗生物質を服用しましょう。
痛み止めは効果が出てくるまでに時間がかかるため、麻酔が切れる前に飲むようにしてください。
痛み止めは痛みがなければ服用する必要はありませんが、抜歯箇所の感染を抑える役割がある抗生物質は必ずすべて飲み切るようにしましょう。
ドライソケットに注意する
親知らず抜歯後はドライソケットに注意が必要です。
ドライソケットとは、抜歯箇所の骨が露出してしまっている状態のことです。
通常、傷口には血餅という血の塊で蓋がされ、これによって傷内部が保護されて治癒が促進されます。
しかし、抜歯箇所を指や舌で触ったり、頻繁にうがいをしたりするとこの血餅が剥がれ、ドライソケットになってしまうのです。
ドライソケットになると食べかすや汚れが傷口に触れることで鋭い痛みを感じるようになり、痛みが治まるまで1か月程度かかることも少なくありません。
ドライソケットになった場合は適切な処置が必要となるため、すぐに歯科医院を受診してください。
抜歯後の食事に気を付ける
親知らずの抜歯後は食事に注意が必要です。
親知らず抜歯後2〜3時間程度、麻酔が切れるまではケガや火傷、誤飲の可能性があるため食事を控える必要があります。
食事を再開する際は、柔らかくて刺激の少ないものを選びましょう。
例えばおかゆや雑炊、ヨーグルトなどの流動食がおすすめです。
翌日以降の食事はうどんや蕎麦などの固くないものを選び、抜歯した歯の反対側で噛んで食べてください。
また抜歯した部分を刺激しないよう、刺激物や固いものは避けましょう。
血行を良くする行動は控える
親知らず抜歯後は、血行を良くする行動は控えましょう。
血行が良くなると、出血が止まりにくくなったり患部の腫れが長引いたりする恐れがあるためです。
血行を良くする行動には以下のようなものがあります。
- 激しい運動
- 入浴
- 飲酒
抜歯後しばらくは湯船につからずにシャワーで済ませるようにして、運動等も控えて安静にして過ごすようにしましょう。
飲酒も血行を良くする恐れがあるため、もし飲酒をする習慣がある場合は痛み止めや抗生剤を服用している期間は控えるようにしてください。
まとめ
親知らずを抜くタイミングは20歳前後がおすすめです。
20歳前後は免疫力が高く、抜歯難易度も比較的低いため、30代や40代になってから抜歯するよりも治療にかかる負担を抑えられます。
適切なタイミングを過ぎたからといって抜歯ができなくなるわけではありませんが、抜歯難易度が高くなったり抜歯後の回復に時間がかかったりといったリスクがあるため、なるべく早めに抜歯するほうが良いでしょう。
親知らずの生え方は人によって異なるため、歯科医師と相談して決めることをおすすめします。
岡崎歯科では、土日も診療を受け付けています。親知らずの抜歯も含め、口腔内のことで何か悩みがある方はぜひ一度ご来院ください。
#親知らず #親知らず抜くタイミング