嚥下時の違和感やつかえ感とは?歯科の視点から考える原因と対策

「飲み込む時に違和感がある」「つかえ感があるような……」。そんな感覚があると、身体のどこかが悪いのではないかと不安になるのではないでしょうか。

嚥下時の違和感・つかえ感は、歯科の分野では嚥下機能の低下や嚥下障害を視野に入れることも少なくありません。その際は検査や改善ケアが必要です。

ただ、「歯科医院へ行く前に原因や対処法を知りたい」と思う方も多いでしょう。嚥下時の違和感やつかえ感の原因や、自分でできる対処法などを知っておけば安心感が高まります。

この記事では、嚥下時の違和感・つかえ感の原因や対処法、歯科の分野以外でも考えられる原因などについて紹介します。

嚥下時の違和感やつかえ感の主な原因

食事中の手元

嚥下時に違和感やつかえ感が生じる場合、いくつかの原因が考えられます。ここでは、嚥下時の違和感やつかえ感の原因について紹介します。

歯や歯茎など口腔内の問題

嚥下時の違和感やつかえ感の主な原因のひとつに口腔内の異常があり、以下のようなことが考えられます。

よく知られている症状ですが、嚥下時の違和感やつかえ感の原因になることも考えられます。

特に歯周病の進行はその影響が顕著であり、歯茎の腫れや歯のぐらつきによって嚥下時に「いつもと違うな」という感覚を引き起こすことがあります。

また、歯周病による食事時の不快感が「嚥下の恐怖」を生じさせてしまい、症状を悪化させてしまうケースもあります。

合わない入れ歯も違和感につながる可能性があるでしょう。

これらの口腔内の異常は、早期発見と治療が重要です。特にむし歯や歯周病、歯ぐきの炎症などは定期的な歯科検診を受けることで早期発見・早期治療が可能となっています。

違和感・つかえ感が気になる際には一度歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか。

舌の動きとその影響

舌の運動能力や位置によっても違和感やつかえ感などが生じるケースがあり、以下のような場合は舌が関係している可能性が考えられます。

舌の筋力低下は加齢によるものが多く、高齢者に多く見られ、場合によっては誤嚥が心配される状態です。

舌の動きや舌の位置は、歯科医院での指導や専門的なトレーニング、リハビリテーションなどで改善しやすいため、気になる方は相談してみてはいかがでしょうか。

岡崎歯科でも誤嚥防止や快適な生活のため、さまざまなアドバイスが可能です。違和感やつかえ感の解消に取り組みたい方は、一度お気軽にご相談ください。

唾液の分泌量の変化

唾液の分泌量が減少すると、口の中が乾燥し、食べ物が飲み込みにくくなります。唾液の分泌量が減少する理由は以下が考えられます。

唾液の減少は食べ物が喉に引っかかりやすくなり、つかえ感や違和感を生じさせる原因です。ガムを噛む、水分を多く摂る、唾液腺マッサージを行うなどの方法で分泌量を増加させましょう。

歯科の分野以外で考えられる違和感・つかえ感の主な原因

苦しそうな顔で喉元を押さえる女性

嚥下時の違和感やつかえ感は、歯科以外の分野の異変が原因になっている可能性もあります。ここでは、歯科の分野以外で考えられる原因について紹介します。

なお、ここで紹介する項目はあくまで可能性の一部になるため、気になる方は医療機関を受診してみてください。

消化器系の問題

嚥下時の違和感やつかえ感は、食道や喉の問題が原因になることもあるため、専門医による診断と治療が必要です。主に以下のケースが考えられます。

このような疾患は食べ物が喉や食道をスムーズに通過しにくくなってつかえ感を引き起こしたり、食道に炎症を起こして嚥下時の違和感・不快感を生じさせることがあります。

症状が長期間続く場合や食事中に苦痛を感じる場合は、専門の医療機関へ相談してみてください。

神経系の問題

神経系に何らかの問題がある場合も、嚥下時の違和感やつかえ感の原因となり、以下の病気が代表的です。

このような疾患は嚥下に必要な筋肉の制御に影響を与え、食べ物がスムーズに喉を通過しにくくなります。

精神的なストレスや不安

精神的なストレスや不安は喉や食道の筋肉を緊張させ、嚥下時の違和感やつかえ感を引き起こす原因となることがあります。

できるだけリラックスできる方法を取り入れたり、心理療法、ストレス管理を実践することによる対応が望ましいのですが、深刻な場合は心療内科のような専門家の受診も視野に入れましょう。

嚥下時の違和感やつかえ感に対する歯科治療

嚥下時の違和感やつかえ感に対する歯科治療について説明する歯科医療従事者の女性

違和感やつかえ感の原因によっては、歯科治療で対応できることもあります。ここでは、歯科医院で行う嚥下時の違和感やつかえ感のケアについて紹介します。

口腔内トラブルの解決

嚥下時の違和感やつかえ感の原因が歯や歯茎の問題である場合、歯科治療が有効です。例えば以下のことが行われます。

治療によって口腔内の健康を取り戻すことで嚥下時の違和感やつかえ感が解消され、ふたたび快適な食事ができるようになるでしょう。

また、違和感やつかえ感が解消されたあとも定期的な歯科検診をおすすめします。口腔内の異常の早期発見・早期治療や、クリーニングによる衛生向上など、さまざまなメリットを感じられるでしょう。

舌や喉のリハビリテーション

違和感やつかえ感の原因が舌や喉の筋力が低下している場合、リハビリテーションで筋力の向上を目指すと効果的です。

専門のトレーニングを行うことによって舌や喉の筋力を回復させ、嚥下時の違和感やつかえ感を軽減させます。トレーニング例としては以下があります。

舌や喉の筋力を回復させるトレーニング方法は、このほかにも多くの種類があるため、個人の状態に合わせた方法を選ぶとよいでしょう。

どのトレーニングを選べばよいのか迷った場合には、担当の医師に相談し、内容や方法について詳しい指導を受けてみてください。

トレーニングに加え、正しい嚥下方法の指導を受けることで、嚥下時の不快感を解消しながら、よりスムーズに飲み込めるようになるでしょう。

自宅でできる予防策とケア方法

入院中の高齢女性にタブレットらしきものを見せる高齢男性

自宅でも嚥下時の違和感・つかえ感を予防したいと考えるのなら、前述の原因に対応した予防法を取り入れてみましょう。ここでは、自宅で取り入れやすい予防法やケア方法について紹介します。

正しい歯磨きと口腔ケア

自宅での正しい歯磨きと口腔ケアは、むし歯や歯周病で生じる嚥下時の違和感やつかえ感を予防するために重要です。以下のことを意識してみましょう。

口腔内の清潔維持はむし歯や歯周病予防に役立ち、嚥下時の違和感やつかえ感を得にくくします。口腔内のお手入れは歯科医院で質問することもできますので、定期検診などで質問するのもおすすめです。

岡崎歯科でも口腔内のお手入れについてアドバイスが可能です。自宅でのケアにお役立てください。

舌のエクササイズ

嚥下機能の衰えによる違和感やつかえ感の対策としては、舌を意識的に動かすエクササイズが有効です。以下の方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

このような動きを繰り返すことにより、舌の筋肉の収縮と弛緩の動作に良い影響が生まれます。1分間続けるのはつらいという方は、休憩を挟みながら続けてみてください。

食事はよく噛んでから飲み込む

食事の際は食べ物をよく噛み、小さく・やわらかくしてから飲み込むことを心がけましょう。スムーズに喉を通りやすくなり、嚥下時の違和感やつかえ感が軽減します。

ゆっくりと時間をかけて食べる、水分をとりながら食事をするなどを意識しながら習慣化するとよいでしょう。

特に加齢で嚥下機能が落ちている方は、時間をかけた食事が誤嚥防止にもなります。

誤嚥は誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなるため、防止のためにもぜひ意識してみてください。

ストレス管理とリラックス法

精神的なストレスや不安が原因で違和感やつかえ感を覚えているのであれば、適切なストレス管理をしながら、リラックスできる方法を日常生活の中に取り入れていきましょう。

ストレスに対する向き合い方は人それぞれですが、無理なく続けることが大切です。

また、症状に対してどうしても不安が拭えないのであれば、医療機関で改めて相談してみると安心しやすくなるでしょう。

まとめ

嚥下時の違和感やつかえ感にはさまざまな理由がありますが、どれも適切な対策を取ることによって軽減や解消が可能です。

「飲み込めないわけじゃないし……」と放置するとさらに苦痛を感じたり、誤嚥を起こしたりする可能性もあるため、気づいたら歯科医院をはじめとした医療機関での相談をおすすめします。

また、自宅で手軽にできるトレーニングや対策も有効です。舌を突き出したり引っ込めたりする運動や、食事中の咀嚼回数を増やす・水分をとるなどの工夫、ストレス対策などをぜひ取り入れてみてください。

岡崎歯科では歯の治療だけではなく、口腔内の環境と密接な関係がある嚥下時の違和感やつかえ感などについてもご相談いただけます。

「飲み込む時に違和感がでるようになった」「いつもつかえているような気がしてつらい」というお悩みがあれば、一度岡崎歯科までご相談ください。

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