顎関節症の原因は?なりやすい人の特徴や治療方法について解説

顎関節に痛みや違和感を生じる顎関節症。

顎関節症の原因はさまざまあり、例えば歯並びや噛み合わせの悪さ、歯ぎしりや食いしばりの癖、慢性的なストレスなどが挙げられます。

原因によって適切な治療方法が異なるため、きちんと医師の診断を受けて原因を特定することが大切です。

この記事では、顎関節症の原因について解説します。

また顎関節症になりやすい人の特徴や顎関節症の予防方法についてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

顎関節症とは?

顎関節症による痛みや違和感で顎を押さえる男性

顎関節症は顎の関節や筋肉に異常が起き、口が開けづらくなったり顎に痛みや違和感が生じたりする疾患です。

ここでは顎関節症の主な症状について詳しく解説します。

顎関節症の主な症状

顎関節症の主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

上記のうち一つでも当てはまるものがあれば、顎関節症を疑ったほうが良いでしょう。

顎関節症の症状がひどくなると全身に影響が及ぶ可能性も

顎関節症は顎に痛みや違和感が生じるだけでなく、以下のような副症状が現れる場合もあります。

すべてが必ずしも顎関節症による症状とは言い切れませんが、顎関節症の症状が悪化することで上記のような症状が現れることがあります。

顎関節症が疑われる場合は、症状が悪化する前に早期発見・早期治療することが重要です。

顎関節症の原因と治療方法

顎関節症について医師に症状などを話している女性患者

顎関節症の原因は以下の通りです。

ここでは上記7つの原因についてそれぞれ詳しく解説します。

歯並びや噛み合わせが悪い

歯並びや噛み合わせが悪いと顎関節症を発症することがあります。

例えば下顎が出ている受け口(下顎前突)や上顎が出ている出っ歯(上顎前突)なども、顎関節症を引き起こしやすいです。

歯並びや噛み合わせは遺伝もしくは生活習慣のどちらかに要因があるとされており、噛み合わせの悪さは顎のゆがみにつながります。

以下の生活習慣は歯並びや噛み合わせの悪化につながる恐れがあるため注意が必要です。

歯並びや噛み合わせが原因によって顎関節症が引き起こされている場合、矯正治療によって症状が改善する場合があります。

ただし噛み合わせの悪さが関係していない場合もあるため、顎関節症治療を目的とした矯正治療は慎重に行わなくてはいけません。

即効性を期待するのであれば、マウスピースを装着するスプリント療法がおすすめされます。

歯ぎしりや食いしばり

顎関節症の原因として多いのが、歯ぎしりや食いしばりの癖です。

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯や顎の関節・筋肉に大きな負担がかかります。

歯ぎしりによって加わる力は100kg以上にも及ぶともされており、かなりの負担がかかっていることがわかります。

睡眠中や集中時の歯ぎしりや食いしばりは自力での改善が難しいため、マウスピースを装着して治療を行うことが多いです。

寝ている間にマウスピースを装着しておくことで、顎の関節や筋肉にかかる負担を抑えられます。

治療に使うマウスピースは歯科医院でオーダーメイドで作製したものを使用します。

市販で購入できるマウスピースは自分の歯にぴったり合わず、効果が出ないばかりでなく逆に症状が悪化する恐れがあるため、使用しないようにしましょう。

歯ぎしりや食いしばりによる顎関節症が疑われる場合は、歯科医院で治療を受けてください。

顎に負担のかかる動作

顎に負担のかかる動作を続けていると、顎関節症を発症することがあります。

具体的な動作は以下の通りです。

上記のような行動は顎に負担がかかるため、長時間続けていると顎関節症の原因となる恐れがあります。

生活習慣を見直し、顎に負担のかかる動作をできるだけ控えることが大切です。

事故やスポーツなどによる外傷

顎関節症を急に発症する原因の一つとして、事故やスポーツなどによる外傷が挙げられます。

顎を強打したり硬い食べ物を噛んだりした際、瞬間的に強い力が顎にかかることで、顎関節症が引き起こされることがあるのです。

顎関節症を引き起こしやすいスポーツの例としては、ラグビーやボクシングなどが挙げられます。

これらのスポーツでは歯や顎に衝撃が加わるリスクがあるためスポーツ用のマウスピース(スポーツマウスガード)を装着しますが、それでも怪我や衝撃によって顎関節症を起こすことがあります。

顎や歯に強い力がかかるスポーツをしている場合は、必ず歯を守るための装具を装着しましょう。

片側の顎ばかり使う癖

顎関節症を引き起こす生活習慣の一つに、片側の顎ばかり使う癖が挙げられます。

左右どちらかの顎にのみ痛みや違和感が生じている場合、食事中に片側の顎ばかり使う癖がついている可能性があります。

片側の顎での咀嚼が癖になっていると、片側の顎の筋肉ばかりに強い力が加わり、左右の筋肉や骨格のバランスにゆがみが生じてしまうのです。

この癖がついてしまう原因として、詰め物や被せ物があっていないことや虫歯が考えられるため、もし思い当たる節があれば歯科医院での治療をおすすめします。

顎の筋肉や関節に左右差が生まれることで、全身の様々な部位で痛みや違和感が生じる原因にもなり得るため、早期治療が重要です。

TCH(歯列接触癖)

TCH(歯列接触癖)は、無意識に上下の歯が接触している癖のことです。

唇を閉じているときも上下の歯が接触しない状態が正常ですが、TCHの場合は食事や会話以外でも常に上下の歯が接触し、顎の関節や筋肉に負担がかかり続けてしまいます。

顎の関節や筋肉に負担がかかり続けると顎関節症になるリスクが高まるとされており、実際に顎関節症の患者様の中にはTCHの習慣を持つ方が8割近くにも上ります。

TCHは歯ぎしりと同様、無意識に行ってしまっている習慣のため、自力で改善するのは難しいですが、1日の間にTCHを定期的にチェックする習慣を身につけることで、徐々に改善することが可能です。

場合によっては、噛み合わせの調整を行うことで改善できるケースもあります。

慢性的なストレス

慢性的なストレスは筋肉の緊張の原因となり、顎関節症を引き起こす歯ぎしりや食いしばり、TCHなどにつながります。

完全にストレスフリーな環境を作ることは難しいですが、ストレスを発散する習慣を身につけることで、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりを防ぐことが可能です。

ストレスの発散方法としては以下のようなものが挙げられます。

ストレスの発散方法は自分に合ったものを探すことが大切です。

自分に合ったストレス発散方法を身につけて、ストレスを溜め込みすぎないようにしましょう。

顎関節症になりやすい人の特徴

顎関節症による痛みや違和感があり顎を押さえる女性

顎関節症になりやすい人の特徴は以下の通りです。

上記のような癖がある人は顎関節症になりやすいため、一つでも当てはまる場合は生活習慣を見直してみましょう。

噛み合わせや歯並び、歯ぎしりなどは歯科医院での治療が必要になるため、かかりつけの歯科医に相談してみることをおすすめします。

顎関節症を予防する方法

顎関節症による痛みや違和感があり顎を押さえる女性

顎関節症を予防する方法は3つ挙げられます。

ここでは上記3つの方法についてそれぞれ解説します。

ストレスを解消する

慢性的なストレスは顎関節症の原因になり得るため、ストレスを適度に解消する習慣を身につけましょう。

自分に合ったストレス発散方法を身につけ、しっかりと休養を取ることが大切です。

また筋肉が緊張していると顎に負担がかかってしまうため、日頃から力を抜くように意識するようにしてみてください。

自分の癖を意識して改善する

顎関節症は、日頃からの癖や習慣が原因となって引き起こされることがあります。

例えば片側の顎ばかり使ってものを食べる癖やほおづえをつく癖、うつぶせになって寝る癖などです。

自分の普段の癖を見直し、顎に負担のかかる行動を控えるようにしましょう。

顎関節のストレッチをする

顎関節症の予防方法として有効なのが、顎関節のストレッチです。

顎周辺にある咬筋や側頭筋などの筋肉が凝っている場合は、マッサージやストレッチなどでほぐしましょう。

手のひらや指で頭部から頬に向けて優しい力でなでるようにしてほぐします。

マッサージやストレッチによって血流を良くすることで、筋肉の緊張をほぐし、痛みを和らげられます。

マッサージやストレッチを取り入れる際は、自己流でのストレッチは避け、顎関節症についての知識が豊富な医師の指導の下で行うようにしてください。

無理にストレッチを行うと顎関節症を引き起こしたり、症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。

まとめ

顎関節症は、歯並びや噛み合わせ、歯ぎしりや食いしばり、顎に負担のかかる動作、TCH(歯列接触癖)、慢性的なストレスなどが原因で引き起こされることが有ります。

普段から顎に負担のかかる動作を行っている場合、顎関節症を引き起こしやすいため注意しましょう。

顎関節症を予防するための方法としては、ストレスの解消、自分の癖の改善、顎関節のストレッチなどが挙げられます。

今回顎関節症の原因について解説しましたが、もし当てはまるものが一つでもあり、顎に痛みや違和感がある場合は、なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。

岡崎歯科では、徹底したカウンセリングにより、患者様一人ひとりに適した治療方法を提案しています。

セカンドオピニオンにも対応しているため、気軽にご相談ください。

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