顎関節症でやってはいけないことはある？自己流で対策するリスクも解説

顎関節に痛みや違和感が生じる顎関節症。

口を開閉するときに痛みが出たり、口を開閉するときにクリック音が鳴ったりといった症状があります。

顎関節症には様々な治療方法がありますが、「これをすると逆に症状が悪化してしまう」というやってはいけない行動があるため注意が必要です。

この記事では、顎関節症でやってはいけないことについて詳しく解説します。

顎関節症の治療を自己流で行うリスクや放置する危険性についてもまとめているため、顎関節症の疑いがある方はぜひ最後までチェックしてみてください。

顎関節症とは？

顎関節症の骨格と筋肉のイメージ画像

顎関節症は、顎の筋肉や関節に何らかの異常が生じ、痛みや違和感が生じたり本来の機能を果たせない状態になったりする疾患です。

主な症状としては以下のようなものが挙げられます。

顎関節症になると顎の周囲の首や肩の筋肉に緊張が起こり、肩こりや偏頭痛などを引き起こすこともあります。

また症状が悪化すると口を開けなくなり、話したり食べたりといった日常動作にも支障をきたすため、早期発見・早期治療が重要です。

顎関節症の原因

顎関節症は以下のような原因によって引き起こされます。

顎関節症の原因といえば噛み合わせや歯並びの乱れ、歯ぎしりや食いしばりなどが疑われやすいですが、生活習慣や慢性的なストレスが原因で引き起こされることもあります。

顎関節症は上記の原因が複数絡み合って発症するもののため、原因の特定が難しい場合も少なくありません。

顎関節症になりやすい人

顎関節症になりやすい人の特徴は以下の通りです。

上記いずれかに当てはまる場合は顎関節症になりやすいため注意してください。

また歯並びや噛み合わせ、歯ぎしり、食いしばり、虫歯などは歯科医院での治療が必要となるため、かかりつけの歯科医に相談してみましょう。

顎関節症でやってはいけないこと

両手でバツを作る女性医師

顎関節症でやってはいけないことは以下の通りです。

上記の行動は症状を悪化させる恐れがあるためやめましょう。

自己流でマッサージをする

顎関節症でやってはいけないことの一つが、自己流でのマッサージです。

顎関節症のセルフケア方法としてマッサージやストレッチが挙げられますが、必ず医師の指導の下行うことが大切です。

自己流のマッサージやストレッチは、顎に負担をかけてしまう恐れがあります。

自己流での開口運動や咀嚼運動は特に注意が必要で、顎に大きな負担をかける可能性が高いです。

顎関節症の原因は患者様によって異なり、アプローチ方法も異なります。

医師の診察や経過観察を受けてしっかりと原因を特定したうえで、医師による治療を受けるようにしましょう。

合わないマウスピースを装着する

顎関節症の治療方法にマウスピースを装着する方法が挙げられますが、合わないマウスピースを装着すると歯並びに悪影響を及ぼす恐れがあります。

歯ぎしりや食いしばりの癖が原因による顎関節症には、マウスピースの装着による治療が有効です。

しかしこれは患者様の歯型にきちんと合ったマウスピースを装着する必要があり、市販のマウスピースを装着しても顎関節の負担を軽減できません。

歯列に対して小さいマウスピースを使用し続けると、歯並びが悪くなってしまう可能性もあります。

市販のマウスピースは患者様の歯型にぴったり合わないため、顎関節症の治療に使用するのであれば、歯科医院でオーダーメイドのマウスピースを制作しましょう。

薬物治療のみに頼る

顎関節症の治療で薬物治療のみに頼るのはよくありません。

顎に痛みが生じている場合、痛み止めや筋弛緩剤などによって治療が行われることがあります。

薬物治療は対症療法的な治療方法で、あくまでもそのときの症状を一時的に抑えることしかできません。

そのため薬物治療のみに頼って根本的な原因にアプローチしないままだと、いつまでも症状が改善されないだけでなく、治療期間が長引く原因にもなります。

また痛みを抑えるために痛み止めを過剰に服用すると、副作用が生じる恐れもあるため注意が必要です。

薬物治療のみに頼るのではなく、きちんと病院を受診して治療を受けましょう。

整体のみに頼る

筋肉のコリをほぐすことで症状が改善されたように感じることがありますが、整体のみに頼るのはやめたほうがよいでしょう。

整体も薬物治療と同様、対症療法的な治療方法となり、顎関節症の根本的な原因を取り除くことはできません。

顎関節症の原因を取り除くためには、歯科医院を受診して原因に合った治療を受ける必要があります。

柔らかいものばかり食べる

顎関節症になると顎への負担を抑えるために柔らかい食べ物ばかり食べるようになりますが、咀嚼回数の低下により顎周辺の筋肉が衰えてしまうデメリットがあるため注意しましょう。

柔らかい食べ物を食べるのは急性期の痛み対策としては有効ですが、常に柔らかい食べ物ばかりを食べるのは避けたほうが良いでしょう。

長時間ガムを噛む

長時間ガムを噛むと顎関節症の症状を悪化させる恐れがあるため注意しましょう。

ガムを長時間噛むことで顎関節に負担がかかり、痛みや違和感が悪化することがあります。

TCH（歯列接触癖）の治療方法としてガムが使用されることがありますが、自己流での治療は厳禁で、必ず医師の指導の下で行われなくてはいけません。

片側の歯で噛む

片側の歯で噛む癖がある人は注意が必要です。

片側の歯で噛み続けることで、顎の関節や筋肉の左右のバランスが悪くなり、よく使われる方の顎関節に疲労がたまってしまいます。

また筋肉に左右差ができることにより顔面骨格に歪みが生じ、症状が悪化する恐れもあるため注意しなくてはいけません。

特に咀嚼は無意識に行われている行動のため、片側の歯で噛む癖があっても自覚しづらい場合があります。

自分の噛み癖に意識を向けてみて、もし片側の歯で噛む癖があるようなら、意識的に反対側の歯でも咀嚼するようにしてみてください。

顎に負担のかかる姿勢を続ける

顎に負担のかかる姿勢を続けると顎関節症が悪化する恐れがあります。

具体的な行動は以下の通りです。

上記のような行動は顎に負担がかかるため、長時間続けていると顎関節に痛みを感じるようになります。

またフルートやトロンボーンなどの楽器、野球やスキューバダイビングなどのスポーツも顎に負担をかけやすいです。

顎関節症の疑いがあるときは、楽器やスポーツも含めて、顎に負担がかかりすぎないように注意しましょう。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりも顎関節症を悪化させる恐れがあります。

歯に大きな力がかかるため、顎関節や顎の筋肉に負担がかかり、痛みを感じやすくなります。

食いしばりはある程度意識すれば改善しやすいですが、歯ぎしりは睡眠中や集中時などに無意識に行われるもののため、医院での専門的な治療が必要となる場合が多いです。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、歯科医院を受診しましょう。

TCH（歯列接触癖）

TCH（歯列接触癖）は無意識的に上下の歯を接触させる癖のことで、顎関節症に深く関わりがある習慣の一つです。

短時間にkg単位の力がかかる食いしばりと異なり、TCHはg単位の力が長時間持続的に顎関節に負担をかけることが特徴です。

持続的に顎関節に負担がかかることで、顎関節に疲労がたまり、痛みが生じやすくなります。

TCHは意識的に改善していく必要があるため、TCHの疑いがある場合は歯科医師に一度相談してみると良いでしょう。

顎関節症の治療を自己流で行うリスク

顎関節症の治療を自己流で行って痛みを感じている女性

顎関節症の治療方法の中には、マッサージやマウスピースの装着など、自分でもできそうな治療方法があります。

しかしこれらの治療方法を自己流で行うと、顎関節症の症状が悪化するだけでなく、ほかの口腔トラブルを引き起こす原因にもなりかねません。

不要なトラブルを避けるためにも、歯科医院でエビデンスに基づいた治療を受けるようにしましょう。

顎関節症は放置せずに早めに治療を行うことが大切

病院で顎関節症の治療を受ける女性

顎関節症は放置すると、症状が悪化してしまうこともあります。

最初は軽い違和感が生じる程度のものでも、放置することで食事や発音に支障が出る重度の症状を引き起こす恐れがあるのです。

顎の関節や筋肉だけでなく噛み合わせが変化することもあるため、顎関節症の疑いがある場合は放置せずにすぐに歯科医院を受診しましょう。

まとめ

顎関節症でやってはいけないことについて解説しました。

自己流のマッサージや合わないマウスピースの装着、顎に負担のかかる生活習慣などは控えるようにしましょう。

特に自己流の治療は症状を悪化させる恐れがあるため、マッサージやストレッチは医師の指導の下で行う必要があります。

口が開きづらかったり口を開閉するときに痛みや違和感が生じたりしている場合は、歯科医院を受診して原因に合った治療を受けるようにしてください。

岡崎歯科では患者様の症状に合わせた顎関節症治療を行っています。

問診や触診でしっかり検査をして患者様に合った治療方法を提案しているため、ぜひ一度ご相談ください。

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