抜歯をしたら血が止まらない!原因と対処法を知って適切な処置を

歯科の治療の過程で抜歯をすることがありますが、抜歯後に出血が止まらないと困ってしまいます。

抜歯後に出血が止まらない場合には何らかの原因があり、その多くは患者様ご自身でも対応しやすいものです。

事前に原因と対処法を知っておくことにより、抜歯後の出血に備えやすくなるでしょう。

この記事では、抜歯後に出血が止まらなくなる原因や、出血を止めるための対処法、出血を防ぎやすくする方法などについて詳しく紹介します。

抜歯後に出血が止まらなくなる原因

はてまマークが書かれた木製ブロックとペン

抜歯後に血が止まらなくなる場合、複数の原因が考えられます。

普段はなにげなく行っていても、抜歯後には適していない行動があるため、心当たりがある場合は避けるようにしてみてください。

ここでは抜歯後に出血しやすくなる8つの原因について紹介します。

止血が不十分

抜歯のあとは患部にガーゼを挟んで止血しますが、この時にガーゼが傷口とうまく合わないと止血が不十分になります。

多くの歯科医院では丸めたガーゼを傷口に当て、「約15~20分ほどしっかり噛んでください」とお願いするでしょう。傷口付近の血管を圧迫することにより、出血を止めるためです。

しかし、以下のような場合には止血が不十分になる可能性が高くなります。

このようなケースは止血がうまくいかず、出血が続きやすくなってしまうでしょう。

傷口を触った

傷口を舌や歯、歯ブラシ、指などで触り、傷口を塞ぐためにできはじめていた血の塊(血餅)をはがしてしまうと出血は止まりにくくなります。

抜歯した傷口が気になるのは分かりますが、抜歯当日や翌日は触らないように注意してみてください。

無闇に触ると出血が止まりにくくなるだけではなく、細菌に感染し、炎症をはじめとしたトラブルを発症する可能性もあります。

ただ、歯磨きを控える必要はありません。口腔内の清潔を保つことは傷口を感染症から守る効果もあるため、傷口を避けながら丁寧に行いましょう。

うがいの勢いが強すぎた・回数が多すぎた

うがいが強すぎたり回数が多すぎたりすると、血餅がはがれ、出血が止まりにくくなります。

血餅は傷が治るまでかさぶたのように傷口を保護する役割がありますが、うがいの勢いが強かったり回数が多すぎたりするとはがれてしまいます。

抜歯後にうがいを繰り返して口腔内をきれいに保ちたい方も多いですが、血餅がはがれないようにするため、うがいは適度な強さ・回数にとどめましょう。

激しいスポーツをした

まだ傷口が塞がっていないうちに激しいスポーツをすると、血行が良くなる、血餅がはがれるなどが原因で出血が止まりにくくなります。

抜歯した日は激しい運動を避け、安静に過ごしてみてください。

お酒を飲んだ

お酒も血行をよくする効果があるため、抜歯後の出血を止めにくくなる原因です。抜歯後の飲酒は控えましょう。

飲み会などお付き合いもあるかもしれませんが、できるだけ抜歯当日に当たらないよう、事前にスケジュールを調整しておくことをおすすめします。

タバコを吸った

タバコを吸うと口腔内が陰圧状態になってしまい、血餅がはがれやすくなります。血餅がはがれると出血が止まりにくくなるため、できるだけ喫煙は控えましょう。

喫煙は傷の治りを遅くする原因にもなるため、抜歯当日から傷がある程度塞がる1週間程度は禁煙や節煙をおすすめします。

抜歯時のトラブル

まれではありますが、傷口の縫合不足や太い血管を傷付けたなどの可能性があります。

また、抜歯した箇所を手術後にきれいにクリーニングしていない場合にも、出血や痛みが出ることがあるため、歯科医師に改めて確認してもらったほうがよいでしょう。

「血が大量に出て止まらない」「出血も痛みもひどい」などの状態であれば、抜歯した歯科医院へすぐに相談してみてください。

飲んでいる薬の影響

血液をサラサラにする薬を服用している人は、薬の作用で血が止まりにくくなるため、抜歯後の出血もなかなか落ち着かないことがあります。

一般的に、抜歯前にはあらかじめ飲んでいる薬をチェックしますが、その時に必ず服用薬を申告しておきましょう。お薬手帳があれば歯科医師に見せるのもよい方法です。

いつまでも出血が止まらず、「何かおかしいのでは?」と感じた際にはすぐに歯科医院や持病のかかりつけに相談してみてください。

血が止まらない時の対処法

抜歯後に血が止まらず冷やしている女性

抜歯後に血が止まらない時には、焦らずにいくつかの方法を試してみましょう。ここでは血が止まらない時に役立つ対処法を紹介します。

頬を冷やす

冷たい水で濡らしたタオルなど冷たいもので、頬の上から抜歯した部分を冷やすと血流が抑えられ、止血効果が期待できます。

「冷やす」と言うと氷や保冷剤のようにとても冷たいものを考えるかもしれませんが、氷や保冷剤は温度が低すぎることもあり、肌がチアノーゼや凍傷の状態になってしまう恐れもあります。

氷や保冷剤よりも、冷たい水で濡らしたタオルを使いましょう。

どうしても氷や保冷剤を使いたければ、肌に直接当てないようにタオルやハンカチなどでくるんでから使ってみてください。その際、あまり長時間当て続けないように注意しましょう。

清潔なガーゼで止血する

歯科医院で抜歯した時のように、ガーゼ(またはティッシュ)を丸めて傷口の上に置き、しっかり噛んで約20~30分ほど待ってみてください。

ガーゼは清潔で、傷口より少し大きく丸められるものがよいでしょう。傷口にフィットして、力を入れて噛んでもずれないサイズが効果的です。

余裕があれば前述の「頬を冷やす」と一緒に試してみてください。相乗効果で止血効果が高まる可能性があります。

歯科医院へ相談する

「冷やしてもガーゼを噛んでも効果がなかった、血が止まらない」という場合には、速やかに歯科医院へ相談してみてください。

抜歯中に何らかのトラブルが起きていたり、ご自身では気づいていなかった原因が隠れていたりする可能性も考えられます。

抜歯後の出血を防ぐ方法

抜歯後快適で笑顔の女性

抜歯後には出血することが一般的ですが、「できれば出血を防ぎたい」という方も多いでしょう。

ここでは最小限の出血で済むように、抜歯後の出血を防ぐ方法について紹介します。

抜歯後は止血をしっかりする

抜歯後の止血は、歯科医師の指示にしたがってガーゼをしっかり噛んで圧迫し、指定された時間を安静にして過ごしましょう。

また、なかなか血が止まらない時に再度止血を試す方法としても有効なため、清潔なガーゼやティッシュを用意しておくと安心です。

強いうがいをしない

うがいをする時にはブクブクと勢いよく頬を動かすのではなく、口の中を優しくすすぐようにうがい薬や水分を行き渡らせてみてください。

ブクブクと強い勢いで頬を動かすと、傷口を塞ぐための血餅がはがれやすくなってしまいます。

うがいをすると口腔内がスッキリするため、しっかりうがいをしたいと思うことがあるかもしれませんが、傷口が塞がるまでは強いうがいを避けておきましょう。

なお、口腔内をスッキリさせたい時には、マウスウォッシュやミント系のキシリトールタブレットなどの活用もおすすめです。

激しい運動は避ける

血行をよくしすぎないように、抜歯当日から数日は激しい運動を避け、安静にして過ごしましょう。

趣味や気分転換、健康管理などで動きの多い運動を習慣にしている方も多いですが、前述の通り、血行がよくなると血が止まりにくくなってしまいます。

また、相手やチームメイトがいるスポーツの場合、競技中に誰かと強くぶつかった拍子に衝撃で血餅がはがれ、ふたたび出血してしまうケースもあります。

運動は出血が治まり、傷口がふさがってから思い切り楽しんでみてください。

長風呂や飲酒は控える

出血を防ぐためには、運動と同じく血行をよくする長風呂や飲酒も避けておきたい行動です。

「抜歯で疲れたから長風呂で癒されたい……」「今日は抜歯を頑張ったから乾杯!」といった気持ちがあるかもしれませんが、抜歯当日や出血が止まるまでの数日間は控えましょう。

食事はやわらかいものを選ぶ

傷口に当たったり血餅に衝撃を与えてしまったりする可能性があるため、食事は硬いものを避け、以下のようなやわらかい料理を選んでみてください。

抜歯当日はこのような流動食に近い食事がおすすめです。血が止まり、腫れや痛みもなければ少しずつ通常食に戻していきましょう。

刺激物の摂取を控える

辛いものや熱々のものなどは、傷口を刺激して血を止まりにくくしてしまいます。傷口がふさがり、血が止まるまでは以下のような刺激物の摂取を控えておきましょう。

このような食事は傷口にとって刺激になり、傷の治りが遅くなります。

辛いものは避ける、熱々の料理は冷まして常温にしてから食べるなど、しばらくは大好物でも我慢してみてください。

まとめ

抜歯後に血が止まらない状態が続くと、「何かトラブルが起こっているのでは」と不安になるかもしれません。その際は清潔なガーゼやティッシュを噛み、約20~30分圧迫して様子を見てみましょう。

また、抜歯後には傷口に血餅が作られ、少しずつ傷口を塞いで血が止まるようになります。この間は強いうがいや激しい運動は避け、血餅がはがれないように気をつけてみてください。

どうしても血が止まらない・何かがおかしいような気がするといったことがあれば、抜歯をした歯科医院へ早めの相談をおすすめします。

岡崎歯科では抜歯前から抜歯後まで、患者様の状態や出血に細心の注意を払いながら対応しています。もし何らかの異常や不安を感じるようなことがあれば、遠慮なくご相談ください。

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