抜歯後は必ず腫れる?腫れやすい条件や腫れた時の対処法を解説
歯列矯正やほかの事情で、歯科医院で抜歯をするのは珍しいことではありません。
しかし、抜歯後に抜歯部分や周辺が腫れてしまい、痛みや不快感に悩まされることがあります。
基本的にはいずれ治まりますが、それまで不快な時間が続き、ストレスが溜まるのは困りものです。
抜歯後の腫れを少なくする予防する対策や腫れた時の対処法を知っておけば、完治までのストレスを減らせるようになります。
この記事では、抜歯後に腫れる理由や予防策、腫れた場合の適切なケア方法について詳しく紹介します。
抜歯後は腫れる?腫れるのはいつ?

抜歯後の腫れを気にする人にとって、抜歯後に必ず腫れるのか、いつ頃腫れるのかなどは知っておきたい情報です。
ここでは抜歯後に腫れた場合、腫れる日数や腫れのピーク、腫れが治まるまでの平均的な日数などについて紹介します。
抜歯すると必ず腫れるの?
「抜歯=腫れる」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
抜歯をすると腫れることもあれば腫れないこともあり、抜歯前の準備や抜歯する条件などによって左右されます。
腫れる場合も個人差があり、歯ぐきを切る範囲が広かったり、骨を削る部分が多かったりなどの処置を受けているケースは腫れやすくなります。
抜歯後の腫れが気になる場合には事前に歯科医師へ相談して、できるだけ腫れないようにするための対策や、腫れた時の対処法についてアドバイスを受けておくと役立ちます。
腫れるのは抜歯後2~3日後
一般的に抜歯当日に腫れることは少なく、腫れの症状が出始めるのは抜歯後約2~3日です。
抜歯の時に壊れた周辺組織を修復しようとして血液や体内の成分などが活動し、その結果として腫れが起こります。
腫れてくると驚くかもしれませんが、感染症などを引き起こしていない限り、身体が回復へ向かう過程のひとつであるため心配する必要はありません。
ただ、あまりにも痛みが強かったり、膿んでいるような様子があったりすれば感染症の可能性があるため、歯科医院へ連絡することをおすすめします。
腫れのピークは抜歯の約3日後
腫れのピークは抜歯してから約3日後が一般的です。個人差があり、翌日や翌々日がピークという人もいます。
いずれにせよ抜歯当日にピークを迎えるというわけではなく、「抜歯当日から遅れてやってくる」と予想しておくと対策が立てやすくなるでしょう。
腫れがピークを迎えて強い不快感を覚える際には無理をせず、安静にして身体をいたわりながら過ごしましょう。記事後半で紹介する腫れた時の対処法も参考にしてみてください。
腫れが治まるまでは約1週間
感染症やそのほかの要因で腫れているわけではない限り、抜歯後の腫れは約1週間で治まります。個人差があり、多少前後することはありますが、何週間も腫れ続けることはありません。
抜歯後に顔に腫れがあっては困るスケジュールがある人は、腫れが治まる時期を予想し、逆算して抜歯の予定を立てるとよいでしょう。
また、腫れを早めに治すために、食生活や睡眠時間に気を配るのもおすすめです。
タンパク質、ミネラル、ビタミン、コラーゲンなどの栄養素を摂取して、たっぷり睡眠時間を確保して回復を促進しましょう。
抜歯後に腫れる可能性が高いのは?

抜歯後は腫れることがあれば腫れないこともあり、施術内容によって変わります。
ここでは抜歯後に腫れる可能性が高い条件について紹介します。
歯の周辺の負担が大きかった
歯の周りの骨や歯ぐきにかかる負担が大きい施術内容だと、抜歯後に腫れることが多くなります。
例えば親知らずを抜く時に「歯ぐきを切開する部分が大きかった」「下あごを広めに削った」などの施術をしている場合は腫れやすくなります。
抜歯手術に時間がかかった
抜歯手術そのものは1日で終わることがほとんどですが、その手術時間が長ければ長いほど腫れやすくなります。
手術時間が長くなると歯ぐきや周辺への強い刺激が続きます。手術中は麻酔をかけているため刺激を感じないようになっていますが、あとで腫れや痛みを引き起こしてしまう原因です。
腫れた時の対処法は?

腫れると覚悟して抜歯をしても、実際に腫れると不快感や痛みを伴い、そのままにしておくことはつらいと感じる人も多いでしょう。
ここでは抜歯後に腫れた時の対処法について紹介します。
腫れた部分を冷やす
抜歯後の腫れの軽減には冷やすことが効果的です。冷やすと血管が収縮し、血液の流れが抑制され、炎症の進行を抑えて腫れが軽減されます。
冷やす時には氷や冷却パックなどをタオルや布で包み、患部に当てて冷やします。氷や冷却パックを包まずに直接肌に当てると凍傷の恐れがあるため、必ず包みましょう。
また、冷やしすぎると血行が悪くなり、治りが遅くなることもあります。冷やすのは抜歯後24時間を目安にして、1回につき15分程度にしてみてください。
術後24時間以降は温める
術後24時間を過ぎてからは、冷やすのではなく温めるようにしましょう。特に痛みも出ている場合、温めたほうが痛みが緩和されます。
蒸しタオルや布を巻いた使い捨てカイロなどを使い、肌に負担をかけない時間内で温めてみてください。
痛み止めを飲む
腫れと一緒に痛みも出ている場合、人によっては冷やす、温めるなどの対処をしても痛みに悩まされることがあります。
その場合は痛み止めを飲み、炎症を抑えるようにしてみてください。
歯科医院によっては痛みが出る時にそなえ、抜歯時に痛み止めを処方することもあります。腫れや痛みが不安な人は先に相談しておくとよいでしょう。
また、市販薬を買う場合には、薬局や薬剤師がいるドラッグストアで効果的な痛み止めを選んでもらうのもよい方法です。
「抜歯後の腫れや痛みが気になって」と言えば、適切な薬を紹介してもらえます。
歯科医院へ相談する
人によっては「一番手っ取り早い」と感じる方法です。抜歯後の腫れやそのほかの症状が出て不安があれば、抜歯した歯科医院へ相談してみましょう。
効果的な対処のアドバイスや、場合によっては適切な薬の処方などが行われます。
また、腫れや痛みの種類によっては抜歯後によくある痛みではなく、感染症やほかの原因が隠れていることもあります。
歯科医院へ早めに相談することで明らかになり、早期治療につながる可能性もあるため、「何かおかしい、抜歯の腫れじゃないような気がする」と感じたら、早めの相談をおすすめします。
抜歯後の腫れ防止に効果的なこと

抜歯後に腫れることがあるといっても、できれば避けておきたいと考える人は多いでしょう。
ここでは抜歯後の腫れ防止に効果が期待できる方法を紹介します。
事前に体調を整えておく
体調を崩している、免疫力が下がっているなどの状態で抜歯すると、炎症が起こりやすくなり、腫れが生じる可能性が高くなります。
抜歯前は日頃の疲れを癒しながら体調を整え、万全の状態で施術を受けられるようにしておきましょう。
疲れも体調を崩す原因ですが、ストレスも悪影響を与えます。疲れやストレスが溜まっている自覚がある人は、抜歯の日に合わせてできるだけコントロールしておくと安心です。
事前に口腔内を清潔にしておく
口腔内が不衛生な状態で抜歯をすると、抜歯後に傷口が細菌感染を起こし、ひどい腫れにつながることがあります。
感染症にかかるとその治療もプラスされるため、治るまでに時間がかかってしまいかねません。
そのような状態を避けるためには、口腔内を清潔にしておくことが一番の対策になります。
抜歯前から丁寧に歯磨きをしたり、必要であれば歯科医院でクリーニングをしてもらうなどの準備をしておきましょう。
抜歯直後の長風呂やお酒を控える
長風呂やお酒は普段なら楽しいものですが、抜歯直後はおすすめできません。血行がよくなり、出血が止まりにくくなってしまうことがあるためです。
出血が続くと感染症の危険や腫れの可能性が高くなります。
抜歯直後の長風呂やお酒は控え、まずはしっかり出血を止めることを優先しましょう。
傷を刺激しない食べ物を選ぶ
抜歯後にまだ傷口が完全にふさがっていない間は、辛いものや酸っぱいものなどの刺激的な食べ物・飲み物は避けておきましょう。
刺激を与えられた傷口は血流がよくなり、開いてしまう恐れがあります。開くほどではない刺激だとしても腫れや痛みの原因になることが多いため、やはり避けたほうが無難です。
カレーや酢の物などが好きな人には少しつらい期間かもしれませんが、しっかり傷口を治してから心ゆくまで楽しみましょう。
口腔ケアは丁寧に優しく
抜歯した傷の部分には、時間が経つにつれて傷をふさぐ役割を持つ「血餅」ができはじめます。血の塊のようなものです。
血餅は強い歯磨きや勢いのよいうがいで取れてしまうことがあるため、普段よりも丁寧で優しい口腔ケアを心がけましょう。
「ケアが足りないような気がする、磨き足りない」「口の中がスッキリしない」と感じる場合はデンタルリンスやマウスウォッシュなどの併用がおすすめです。
歯磨きやうがいだけではなく、気になるからといって指や舌先で触らないようにするなど、治るまでは気を使ってみてください。
まとめ
抜歯後は施術の内容によって腫れる場合と腫れない場合があります。腫れた場合は約3日後がピークになり、1週間ほどで治まることが一般的です。
腫れた時には術後24時間以内は冷やし、それ以降は温めると効果的です。
あまりにもひどい場合や我慢できないような痛みを伴う場合は感染症の疑いもあるため、早めに歯科医院で相談してみてください。
事前に対策しておけば腫れを少なくできるため、体調を整えたり口腔内を清潔に保つなど、できることを取り入れましょう。
岡崎歯科では抜歯後の腫れへの不安、実際に腫れた時の対処や悩みなどについて効果的なアドバイスを行っています。抜歯前からご相談いただくことも可能です。
抜歯に関して分からないこと、不安なことなどがあれば、どんな些細なことでも岡崎歯科へご質問ください。
#抜歯 #抜歯後の腫れ